字を書くこと


千早ぶる 神代もきかず 龍田川
 からくれなゐに 水くくるとは


(在原業平朝臣(17番) 『古今集』秋・294)


朝晩がめっきりと冷え込むようになりましたね。
トレンチコートが大活躍です。
いつの間にか、10月がやってきていて、びっくりしてしまいました。

さて、別名神無月と呼ばれる10月ですが、ある場所だけは「神在月」と呼ばれるのはわりと有名なお話。
あちこちに散らばっている神様たちが、10月には島根県の出雲大社へ会議におでかけになります。
ゆえに、出雲では神様がたくさんいらっしゃるので「神在月」となるわけです。

神様がおでかけなので「神無月」。でも実は、まったくいらっしゃらないわけではないのだとか。
ちゃんと留守番をしてくださる「留守神樣」がいらっしゃるんですって。
なんとまあ、神様の慈悲深いこと。
ありがたやありがたや。

そんな感謝の気持ちを込めて…というわけでは決してありませんが、最近わたしは写経に勤しんでおります(そもそも写経は神道ではなく仏教ですね)。
仏教徒でもなんでもない無神論者のわたくしが、なんでまたそんなことを始めたかといいますと…。
おはずかしながら、わたくし、筆で字を書くのが本当に苦手でして…。
その練習がてら、四字熟語を筆ペンで書く練習をしていたのですが、一向にうまくなる気配がなくて。
これはどうしたものかと悩んでいたら、字のうまい先達が、写経をやってみたら? と勧めてくださったのです。
今、薄墨でお手本が書かれたものをなぞっているだけですが、これがなかなかに…!
難しいのはもちろん、かなり根気が必要です…。そしてもれなく肩こりもついてくるという…(苦)
でも、なんだか筆の扱い方が少しずつ分かってきたような…気が…(しているだけかもしれない)。
とりあえず、筆でお手紙がかけるくらいになるのを夢見て、頑張っております。



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Just looking in your heart...

Just looking in your heart.
All my life I'm searchn' for you my sweet baby.
I've got good good good feelin' I know good Lovin mama.


あなたの心の中を見つめてるだけ
これまでも、これからも 求め続けてきた 愛しいあなた
最高にいい気分になれるの 子供を愛するような気持ちを覚えるの


(EGO-WRAPPIN' 『A Love Song 』)


風に涼やかな落ち着きを感じるようになり、
なんだか気持ちまでしっとりとしてまいります。
九月になりましたね。皆様、こんにちは。
暑さが威力を失って、高かった湿度も次第におさまり、カラッとした空気になってきているはずなのに、なんだか心はしっとりと……秋がやってまいりました。

というわけで、秋にちなんで、少々しっとりとした詩をご紹介。
上記に挙げましたのは、私の好きなアーティスト、EGO-WRAPPIN'『A Love Song』という曲からの抜粋です。

『A Love Song 』――『ある愛の歌』というタイトルにもあるように、愛についての詩なのですが……多分これは女性目線の詩、じゃないかしら?
" I know good Lovin mama."
mama とあるくらいですから、きっと間違っていないと思うのですが…。

男性を愛する気持ちの中に、女性は少なからず『母性』を秘めているように私は思います。
(勿論、これは私個人の意見で、感想です)
古の歌人、安部女郎(あべのいらつめ)の歌の中にも、それを匂わせるものがあります。


我が背子は物な思ひそ事しあらば
火にも水にも我がなけなくに (万葉集4-506)


(あなたはどうか悩まないで いざとなったら
火であろうと水であろうと私がいるではありませんか)



恋しい人のためであれば、たとえ火の中水の中…というところでしょうか。
なんという献身的な愛情。
献身的……ではあるのですが……うーん(笑)
人をダメにするクッションならぬ、男の人をダメンズにする気配をちらりと…感じて……しまうというか(苦笑)。
これってなんだか、我が子に対する母の愛情にも似ている気がするのは、私だけかしら。

つらつらと述べていますが、私は、男性に対する愛が、母性的なものであることをあまり好ましいとは思っていません。
だって、好きな男性の『お母さん』には、きっと皆さん、あまりなりたくないんじゃないかしら…?
『たとえ火の中水の中』という愛情は、どうせならヒロインへと向けてあげたい。
一応、女性向けの恋愛小説家ですから(笑)。

でも、なんだかきっとそれは、女性に生まれた以上、逃れられない運命のようなもの、な気もしているのです。
気がしているくせに、納得のいくような、いかないような(苦笑)。
千年も前の女性も、同じような『母性的な』愛情を恋しい人に抱いていたのなら、多分この先千年だって、女性は同じような想いを抱いて、同じような葛藤をしていくのだろうなぁ、と…。
しっとり、というか、しみじみ、というか……ちょっと諦めにも似た納得をしてしまうのです。

でもできるなら、女性だって、そんな献身的で大きな愛情に包まれたいわよね、と、唇を尖らせながら、今昔の女性たちの愛の歌を眺めています。




『女神様も恋をする』

It’s raining cats and dogs...
(土砂降りだよ…)

最近、局地的な土砂降りに見舞われることがよくあります。
今もそうなのですが…まるでスコールだなぁ、と思いながら窓の外を眺めています。
日本列島の大きな範囲が亜熱帯化しているのでは…?
と、地球環境の変化を体感しているこの頃です。

こんにちは。
今日は9月に刊行予定の新作の宣伝です。

アルファポリス様のエタニティブックスさんより新作を出していただけることになりました。

タイトルは『女神様も恋をする』です。
さて、『エタニティブックス』、『女神様』という単語から、「もしかして…」と予想してくださった方が……いらっしゃるでしょうか?
いらっしゃったら嬉しいな、という単なる作者の願望ですが(笑)
実は今度の新作は、私のデビュー作『あたしは魔法使い』のスピンオフ。
同作中に登場した『営業部の女神』こと藤井麗華主任と、桜井部長のお話です。
前作のヒロイン・ヒーローである依子と正栄も、読者様方に大変可愛がっていただいたのですが、実は藤井さんと桜井部長も、好きだと仰ってもらえたキャラクターたちでした。
彼らを主人公にした物語を、というお声も、ありがたいことにたくさん頂戴しておりましたので、こうして形にすることができてとても嬉しいです。
私が遅筆なばかりに、前作よりずいぶんと間が開いてしまいましたが…。
また彼らのお話を読んで、楽しんでくださったら、これ以上の幸いはありません。

また新作の情報に関しては、順次お伝えしていくことになると思います。
単行本の刊行はとても久し振りです。どうぞよろしくお願いいたします。

そして冒頭の英文について…
直訳すれば『犬と猫みたいに雨が降ってる』???
どういうこと!? と言いたくなる謎さ(笑)
語源は諸説あって、どれもあまり信憑性がないようなのですが、一度聞いたら忘れられない奇抜な表現!
とても面白くて、だいすきな慣用句なのです。

雨にも負けず、土砂降りにだって、負けない。
なにより、自分自身に負けない!
毎日がんばります。




以下、私信になります。


****


アンナトマシーナ様

こんにちは。
素敵なメッセージをありがとうございました!
アンナさんには『あたしは魔法使い』の連載時から応援していただいて、数えてみればもう5年も経つのですね。
こんなにも長い間応援しつづけてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもアンナさんに楽しんでもらえる作品をたくさん書けるよう、精進して参ります!
どうぞよろしくお願いいたします。


春日部こみと


晩夏のぬけがら


空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな
(源氏物語『空蝉』より)


お盆休みも終わり、暑さのピークもそろそろ過ぎたかというこの頃。
いつの間にか、立秋もとっくに過ぎていたのだな、と驚いてしまいます。

こんばんは。皆様お元気ですか?
私は酷い夏風邪を引いてしまい、しばらく臥せっておりましたが、
なんとか完治致しました。
なんだか最近体調を崩すことが多くなって、
寄る年波に抗えなくなってきております。
気を付けているつもりでこれですから、もっともっと慎重にならなければいけないのだなぁ、と危機感を抱いております。

さて、タイトルにあります『晩夏のぬけがら』――『空蝉』について。
文字通り、蝉の抜け殻を表すこの単語ですが、実はわりと深い意味もあります。
古語の『うつしおみ(現人)』から転じ、『この世の人、生きている人間』や『人間の生きている世。現世(うつしよ)』を指し、虚しいこと、儚いことの例えとして使われる言葉なのです。

なんだかちょっともの悲しい意味合いの一方で、『源氏物語』では、けっこう逞しい女性の名前として登場します。
光源氏が十七歳の時の恋のお相手、空蝉さんです。
彼女は、プレイボーイ源氏くんを、とても恰好良く袖にした漢気(?)ある女性なのです(※あくまで私の中でのイメージです)。
身分も高く美貌の源氏くんは天狗になっていて、身分が低く、取り立てて美人でもない空蝉さんのことを、最初の方は見下しているかのような描写もあります。
その天狗の鼻をとっても上手に折ってやった彼女は、私の中でヒーローです。
源氏くんは空蝉さんに逃げられて、何故か彼女の身代わりとなってしまった継娘と契る――という結末の意味不明さに首を傾げてしまいますが……なんとも不思議な読後感のお話で、行間を読ませると言う意味では、とても面白い読み物だと思います。
源氏物語の中でも、好きなお話なのです。

こんなふうに、さまざまなイメージのある言葉 『空蝉』は、晩夏の季語。
ちょうど今の季節にぴったりな言葉でもあります。
夏の終わり、季節の移りゆく様を『儚い』と捉えながらも、それに伴いあらゆるものが変化していく。
そんな変化の中を生き抜く人の『逞しさ』を表していると言葉、と考えれば、なるほどと納得できるものがありますね。


『年の差恋愛! おじさまの本気はすごいんです!』第五回

こんにちは。
溶けてしまいそうなくらい暑い日が続いておりますが、皆様お元気でいらっしゃいますか。

外から聞こえる油蝉の鳴き声も、なんだか息も絶え絶え…といった具合に聞こえてしまいます。
地球温暖化、蝉も大変ね…、などとしみじみ思ったり…。
ともあれ、なるべく涼をとり、水分と電解質をこまめに補給し、熱中症にはくれぐれもお気を付けくださいませ。

今週の木曜日はオパール文庫さんのwebサイトで掲載させていただいております

『年の差恋愛! おじさまの本気はすごいんです!』

の更新日です。
第五回が更新されました。

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このお話は将棋のお話かと思いきや、わりと園芸のお話です(どういうこと)。
私の祖父母が庭いじりの大好きな人達で、作中の園芸豆知識は、彼らからのうけうりだったりします。
庭のある日本家屋はノスタルジックで憧れますが、勿論私には維持管理能力は備わっていない為、夢のまた夢でございます。
いつか大菊や牡丹を育ててみたいものです…。

そしてこの連載も残すところ最終回のみとなりました。
どうぞ最後までよろしくお付き合いいただければ、これ以上の幸いはありません。

オパール文庫さんのweb企画では、たくさんの豪華な作家様たちのお話が無料で読めてしまいます。
これを機にお試しになってはいかがでしょうか。



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