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    昇華

    少し前に落ち込む出来事がありました。
    でも解決法はなくて、自分のできるのはただその事実を飲み込むことだけなんだって思うまでに、ずいぶんと時間を労した気がします。
    ひとつのことをずっと気にしていられない程度には年を取っているので、日常生活に支障はありませんが、ふとした瞬間にその哀しさに襲われることがあります。

    「なぜだろう」
    「どうしてだろう」
    「なにがいけなかったのだろう」
    「どうすればよかったんだろう」
    「どうしてあの時」

    そんな埒もない考えが頭の中を巡り、哀しくなり、苦しくなります。
    変えようもない現実に思い悩む…
    多分、どなたでも、こんな経験のひとつやふたつはあるのではないでしょうか。
    こういう哀しさや遣る瀬なさを持ってしまった時、一番自分を浮上させる薬となってくれるのは、私の場合、やはり書くことです。
    直接その哀しさについて書くのではなくてもいい。
    書いている最中の物語の続きを書く。
    それでいいんです。
    不思議と、そういうときはとても筆がのっていて、驚くほど速いスピードで書けたりするんです。
    興奮してしまうほど嬉しいことがあった時も同様です。
    そう考えたら、私の執筆の原動力は大きな感情の動きなのかしら、と思ったりもします。大きく感情が動いて、自分の中に溜まったそれを放出したくてたまらなくなるんだろうなぁ、と。
    そうすると、私は想いのフラストレーションを昇華するには、書く必要があるんだなとしみじみ。
    それって、生き甲斐のひとつのかたちだなぁと。
    なんだかとても嬉しくなりました。
    生き甲斐を見出せる人生って、素晴らしいなと思えたからです。
    これからも一生懸命がんばって、書いていきたいと思います。

    私に書くことの楽しさを教えてくださった全ての皆さまに、心からの愛と感謝を込めて。

    まだ寒い春の夜に   春日部こみと

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